50代が一番不幸!?~女医が教える新宿心療内科コラム

みなさんは不幸でしょうか。
それとも幸福でしょうか。

実は心理学者アーサー・ストーンは、年齢と幸福感の関係を調査しました。
そしてその結果、こんなグラフが判明したのです。

Economistより

すなわち20再前後で幸福だったものが、20代になると、ガクンと下がります。
そして30代までは同じくらいを保ちますが、40代、50代になると再び下がり、50~53歳で最悪の状態になってしまいます。

これ、多くの人が、「そう言われればそうかもしれない…」なんて思うかもしれません。

10代のころは希望にあふれた人生であっても、20代になると、少しずつ「現実」を知ります。
学校の卒業、また就職、さらには結婚などで、色々な決断をする必要が生まれてきます。

その結果、自分について悩むことも増えるのではないでしょうか。

そして40代50代になれば、どんどん老いを感じ、「自分の人生、こんなものだったのか…?」「もっといい人生があったのでは…?」なんて悩む人もさらに増えます。

実際、「うつ病」の好発年齢は「中年期」です。

多くの人が、自分自身や人生について考えてしまい、結果的に不幸を強く感じてしまう時期なのです。

しかし、このグラフ、実はそれで終わりません。

なんと50代の後半、そして60代70代80代になってくると、どんどん幸福感が上がっていきます。

特に80代になれば、最初の20前後のときよりも、幸福感がアップしていくのです。

普通に考えたら、より死が近づくわけで、さらに不幸を感じていたとしても、不思議ではありません。
でも、幸福になるのです。

これ、非常に面白い結果だと思いました。

ある意味、悟っていき、人生を達観していくのでしょうか。
または小さなことにこだわらなくなって、幸せを感じていくのでしょうか。

どちらにせよ、大切なことは「もし今あなたが中年に差し掛かり、気持ちが落ちてしまっていたとしても、それは一過性で、今後どんどん幸せになれるよ!」ということになります。

ですのであまり思い詰めすぎず、気軽に生きていきましょう。

………え?

「幸せにならなくていいから、若いままでいたい」?

えー、それはまぁ色々とハードな気がしつつも、その妄想ができること自体が幸せなことではないでしょうか。はい。

そんなこんなで、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)