新宿心療内科・ゆうメンタルクリニック秘密コラム 「心理学的には、幸せ=●●である」

新宿心療内科・ゆうメンタルクリニック秘密コラム

「心理学的には、幸せ=●●である」

 

◆ 幸福って、何ですか。

さてあなたは、「幸福」って、何だと思いますか?

実は。
その答えとなる心理学調査が、存在していたのです。

オハイオ州立大学のペティジョーン博士らは、多くの人を対象にして、
「あなたは、どんなときにもっとも幸福と感じますか?」
と質問をしました。

その結果。

女性の1位は「誰かと恋に落ちること」でした。
女性の88%が、これを選んだのです。

まぁ、これは結構、納得ですね。

では男性は?

実はこれも同じく「誰かと恋に落ちること」だったのです。

選んだのは男性のうち64%。
女性よりは少ないですが、それでも同じくこちらが1位だったのです。

「え、仕事はどうなの?」

という意見もあるかと思います。

ここで実際、「仕事で成功したとき」と答えたのは、男性の13%、女性の4%程度でした。

「恋に落ちるとき」に比べたら、かなり下です。

では、ちょっとここで考えてみましょう。

あなたは、どっちの人生がいいでしょうか?

A「仕事で大成功するけど、まったくモテない人生」

B「仕事では失敗続きだけど、モテまくりの人生」

ここで迷ったり、すぐ「B!」と答える方は、たぶん今回の話がすごく納得できるかと思います。

逆に「A!」と答える方は、かなり仕事重視な方。
でもまぁ、世の中には恋愛重視の人も結構多い、と思っておいていただければ幸いです。

まぁ、だからといって、恋は仕事より絶対的に上、と言うつもりはありません。

ただ思うに、「仕事の成功」というのは、どちらかというと、じんわりとした幸福感かもしれません。

「あ、この仕事、今この瞬間にうまく行った!」とかではなく、
「あぁ、最近少しうまく進んでるのかなぁ…?」
という、ゆるやかに感じる幸福感なことが多いのではないでしょうか。

その点「恋に落ちたとき」というのは、たとえば
「デートをOKしてもらえた!」
「うわぁ! 手をつなげた!」
というような、ドキュンと来る感じの幸福感…という方が近いかもしれません。

そのため、強く記憶に残る可能性もあります。

また恋愛は、ある意味、性欲にも通じる人間の根源的な欲求。

逆に仕事の成功のためには、何より「社会全体と自分」という意識が必要になるので、そのため性欲よりも少し文化的なものと言えます。

いずれにしても、よりダイレクトな幸福感という意味では、恋の方が分かりやすくハッキリしているのかもしれません。

◆ 後悔は、主に…。

また、実際に過去のことを思い出してみてください。

あなたが「やり残したこと」って何でしょうか。

「あのときに、彼女に告白しておけば良かった…」
「彼にこう言っておけば良かった…」
「あの人と、もっとこういう関係になっていれば…」

と思うことって、多々あるのではないでしょうか。

逆に、

「あのときに、もっとこういう仕事方法をしておけば…」
「この仕事をもっとこうやっておけば…」

と悔やむ人って、そんなにいないと思います。

あ、
「2000年ころにミクシィやモバゲーみたいなサイトを始めておけば…」
というのは、なんかちょっと違いますのでご注意ください。

それは「あの番号の宝くじを買っておけば良かった」とかに近い、どちらかというと金銭欲です。間違えないようにしてください。

いずれにしても、多くの人が、恋愛関係での後悔を抱えているのではないでしょうか。

◆ 愛こそが…?

何にせよ人間、何より「恋愛」的な気持ちは、幸福感において何より重要、ということ。
これをハッキリ認識してください。

「幸せって何だろう…?」

というあなた。

「恋愛」です。

完膚なきまでハッキリと心に刻んでください。

いえもちろん、くどいですが、だからといって、
「恋愛以外の要素は、まったく幸せではないよ!」
と言うつもりはありません。

仕事。家庭。趣味。成長…。

それらはもちろん、一つ一つ、幸せです。
否定するつもりはまったくありません。

あなたが、
「僕は仕事でうまく行っていて幸せだ」
「家庭が何より幸せだ」
と考えているのなら、それはもちろん、イイことです。はい。

ただ調査的に、多くの人が何より認めるのが、「恋愛」なのです。

ですのであなたが、
「幸せが何か分からない」
「どうなれば幸福になれるのか…」
という不安を抱いているならば、とにかく

「恋愛って、すごく大きいんだよ!」と認識していただきたいのです。

◆ 擬似的でもOKです。

ただもちろん、「じゃあオレはモテないから幸せになれないのか!」と思わないでください。そこまで思ってなかったらすみません。

とにかくコレ、擬似的なものでも構わないのです。

それこそ、
「このアイドルが好き!」
「このタレントに夢中!」
「この二次元キャラが大好き!」
などでも構いません。

実際の恋愛にも、色々な形があります。
必ずしも結婚や肉体関係にならなきゃ恋愛じゃない、というワケではありません。

それこそ、はるか遠くから、相手の姿だけを見つめて想いに浸る…という恋愛の形だってあるはずです。
いえ、ストーカーとかではなくもう少しロマンチックな。

そう考えると、アイドルやタレント、またはキャラクタに恋するのだって、十分に恋愛です。

その人を見て「嬉しい!」と感じるのなら、それはそれで、あなたの中に快感ホルモンが出ていることになります。
であれば、もちろんそれは「幸せ」なのではないでしょうか。
特に、

「恋は人を綺麗にする」

と言います。
気持ちが高まることで、女性ホルモン・男性ホルモンなどが活発化するから、と考えられます。

とにかく何かを「好き」と認識することは、生活や気持ちを高める意味で、重要なことなのです。

リアルはもちろん、疑似でも構わないので、「好きな人」を持ってみてくださいね。

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◆ 今回のまとめ。
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○ 人間にとって、何より大きな幸福感は「恋に落ちるとき」。

○ ですのであなたが「幸せって何だろう…?」と思うのなら、「恋愛だよ」
と心に中でハッキリ認識すること。

○ もちろん実際に恋ができればそれがベスト。できないなら、タレントでも
何でも構わないので、「誰かを好きになる」ことが大切。

○ それだけでも、何もないよりも、ずっと日々がイキイキしてくる!

◆ さいごに。

恋愛は、すべてがうまくいくとは限りません。
つらいこと、大変なこと、さらに想いがかなえられないこともあるでしょう。

でも…。
それがイヤだからといって、何もしないのは、やめてください。

ドイツの詩人であるアルントは、こんな言葉を残しています。

「恋の悩みほど甘いものはなく、恋の嘆きほど楽しいものはなく、
 恋の苦しみほど嬉しいものはなく、恋に死ぬほど幸福なことはない。」

それは、つらいからこそ、幸せを感じることができるんですよ。

(完)

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。